コンピュータやインターネットなど情報技術を開発・運用するときや、人の生活に役立てようとするとき、私たちはさまざまな課題に出くわします。これらの課題の背後には数学で表される構造が潜んでいます。情報分野で現れる困難な課題に対して、その数学的な構造を見極め、その性質を利用することで、革新的な解決法を見いだせます。本講座ではこのような考え方に基づき、次のような研究開発を行います。
情報通信メディア分野
- 情報システムを支えるデータ伝送や仮想化に関する基礎技術を研究します。その一環として、データセンタ内の通信ネットワーク構築のための重要な技術として、スイッチ網に関する理論的性質を明らかにします。
- スマートフォンやセンサデータ等を活用し、人の行動や活動の認識技術を開発します。観光客の動態分析や製造現場におけるIoTなどの分野に適用し、社会課題の解決を目指します。
- カメラやセンサ画像から物体の3次元情報を取得する立体カメラ、その情報を映像通信する技術、それを臨場感豊かに再生する立体ディスプレイやVR技術の開発や、それらの技術を教育評価のための視線推定やアミューズメント等へ応用するための研究を行っています。
- 主に動画を対象とした画像処理や、情報収集を安定的にする構造技術などを用いて、より便利な情報サービスを提供する研究をしています。また実際にシステムを構築することにより、人に優しい社会の実現を目指します。
情報数理分野
- 不確実・不確定・不整合なデータからのルール抽出に関連した金融工学、多目的・相反した合理性・曖昧さのもとでの最適化に関連した経営工学、自律・並列・知的な制御に関連したシステム工学、ならびにデータに内在する情報を抽出するアルゴリズムや大規模データの効率的な処理による、データに基づく意思決定の理論の研究、技術の開発を行います。
- 大規模な自然科学データに対して、数値シミュレーション結果から得られる知見と多種観測データの情報を統合的に扱う高度データ解析技術の開発、ならびに集中豪雨や大雪等のメソスケール降水現象と、地球周辺の宇宙プラズマ環境などの自然現象理解を行います。